日常グルーヴ

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アルチンボルド展でシュルレアリスムの原点をみた

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上野の美術館へ

「今日は文化的な活動をしなければならない」
とある日曜の朝にそう決心し、現在開催中の「アルチンボルド展」を上野まで観に行くことにした。

 

上野は久しぶりだ。
ほとんどは文化会館でバレエを観るか、美術館で企画展を観る目的で来る。
しかし三鷹に引っ越してから距離的に上野がものすごーく遠くなってしまった。
観たいバレエなら這ってでも行くが、最近はそういう演目が無いし、美術館の企画展は、その点よほど観たいものが無ければ「ま、いいか」とスルーすることも多くなり、自然と足が遠のく状況にいた。
最後に観た展覧会は、去年六本木の国立新美術館で開催された「ダリ展」だった。
六本木も近くはないが、ダリは大好きな画家なので、地底人と会いそうなくらいに深いところを走る大江戸線を利用して、六本木まで出向いたものである。


その日の上野は日曜日ということもあって、混雑が気になるので、午前中には現地に付きたかった。
三鷹駅のSUBWAYで朝食にして、中央線で神田まで出て山手線乗り換えで上野だ。
今思えば、前に住んでいた北区は上野まで実に近かったな~。

 

 

国立西洋美術館の常設展示とは

 

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最近世界遺産にも登録された国立西洋美術館。
庭園にロダンの黒色の彫刻があるせいで、格調高く見える。
この美術館には企画展ばかりで常設展には何年も行ってない。
企画展の半券で常設展にも入れるのに、企画展を観たあとでは
足が疲れるわ時間が無いわでいつもスルーだ。
しかし今改めてHPの収蔵作品を見てみたら、なかなか壮観な作品の数々。
ミレー作、大好きな「ダフニスとクロエ」はあるし、モネの「睡蓮」やロセッティやモローもある。
松方コレクションが中心の作品で構成されている常設展示だが、大正時代にこれだけのものを収集した松方幸次郎という人物がいなければ、この美術館もなかったわけだ。
今度行くときは常設展だけでも行ってみようかな。

 

 

チケットの買い方も進化していた

美術館に到着した私は、もちろん前売りを持っていない。
そこでいつものようにチケット売り場へと向かい・・・
「めっちゃ混んでる・・・」
ここでくじけそうになったが、スマホでQRコード読み込んでチケット購入画面を入り口で見せれば、並んでチケット買わなくてOKという表示があった。
それも面倒だけど並んで時間を無駄にするよりいいか、と入り口のベンチに座ってカード番号打ち込んでオンラインチケット画面をゲットして無事入場。
あ、入り口で半券はもらえます(時間と体力のある人は常設展へGOだ!)

 

 

奇想の画家に偽り無し

 アルチンボルドは絵画のムック本や画集で見て知っていた。
花や野菜を組み合わせて人物に見えるように描く画家で、その奇妙な作品は一度観れば忘れない。
もっとも私は彼がどこの国の画家で、何世紀の人なのか何も知らなかった。
つまり、彼の本格的な展覧会が今まで無かったから、知る由も無かったわけである。
自然界の要素を組み合わせた肖像画はユーモラスなものからグロテスクなものまで驚くほどリアルに細密に描かれている。そのせいか、映画の「ロード・オブ・ザ・リング」に出ていそうな、コスプレした人っぽい。

有名どころは春・夏・秋・冬の四季シリーズと、火・水・空気・土の四大元素シリーズで、描かれたのが16世紀というのが信じられないような奇抜さだ。(同時代にブリューゲルがいる!)

中でも四大元素シリーズ「水」の気持ち悪さはスゴイ!夢に出てきたら絶対に泣くレベルだ。ブルブル
アルチンボルドはハプスブルク家の宮廷画家だったので、作品の中に時の皇帝を暗示するモチーフを描き込み、地上の森羅万象はすべて皇帝の手中にあるのだぞ、というヨイショを示したわけだが、あれほど不気味な一連の肖像画に当時の皇帝が魅了されたのは意外だ。時代的にもぶっ飛んでいただろうに、「ヨッ!さすが天下のハプスブルク!目の付け所がちがう」とみるべきなのか、皇帝に先見の明があったからなのかはわからないが、少なくともだまし絵的謎解きの楽しみができる絵というのは、いつの時代も人を惹きつけるものだ。その証拠に展覧会では、一枚にかける鑑賞時間がみんなとても長かった。だから行列が進まずイライラ・・・


途中でレオナルド・ダ・ヴィンチの素描(グロテスクな頭部シリーズ)に遭遇!
ダ・ヴィンチの手描き作品が目の前に!(素描だからペン画です)
これはアルチンボルドの画家の父親が、ダ・ヴィンチに倣った画家と親しく、間接的影響を受けた関係からの展示のようだ。


他にアルチンボルドの作品を真似た(オマージュ?)画家の作品も展示されていて興味深い。

今なら「パクリ!ダメ!ゼッタイ!」と糾弾されていたかも?音声ガイドを利用しなかったのでその背景がいまいちわからなかったけど。

 

自由研究なのか、多くの小学生が絵について何やら用紙に書き込みながら展示を鑑賞していた。小学生にも楽しめる絵が多いし、ユニークな研究発表ができあがりそうだ。
最近の傾向として観光客らしき外国人がとても多くなった。旅行先でいい展覧会やってれば私も行っちゃうよな。みなさんよい旅行を♪

 

 

今回の記念

美術館に行けばかならず記念にポストカードを購入する。
今回は2枚。
頭が本になっている「司書」の作品は気に入った。かわいい。
この司書さんにはモデルがいたそうで、本人によく似ていたらしい。

 

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 右は四季シリーズの「春」

モチーフは春らしく花。チケットもこの肖像だった。

胸のあたりが若干膨らんで見えるし、これは女性像らしい。一番上の画像の夏野菜の人物も女性のようだ。ちなみに秋や冬はヒゲで男性とわかる。

ラテン語やイタリア語では春と夏というのは女性名詞で、秋と冬は男性名詞だから、そこからも察しがつく。

この企画展ではグッズにも力を入れていたようで、意表を突く品揃えが笑いを誘う。(だって夏を正面から見たフェイスパックとかあるんだもの)私も春と夏のかりんとうくらい買えばよかったかな。

 

 

 

 

次の企画展も必見


「アルチンボルド展」は9月24日まで開催。
国立西洋美術館の次回の企画展は「北斎とジャポニスム HOKUSAIが西洋に与えた衝撃」というものだ。

これは前売り買って行く~